Jazz Drum Set Tuning #4 - Contemporary Jazz 3 ~ Power Chord -

今回はパワーコードを使ったドラムセットのチューニングです。

パワーコードというのはロックギターで良く使われるコードで、ルートと5度の2音でできています。

ギターで使われているのボイシングをドラムに当てはめるというわけではなく、「ルートと5度の2音」というコンセプトでドラムをチューニングしてみます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 165Hz≒3E

(③ Top: 258Hz / Bottom: 305Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(③ Top: 181Hz / Bottom: 216Hz)

18” x 14” バスドラム : 55Hz=1A

(② Batter: 111Hz / Front: 92Hz)

BDは18”バスドラムとしてはかなり低くチューニングしています。

タオルでミュートしているのに加えて、ダクトテープも足しました。

ここで実験ですが、タムとフロアタムを表裏同じチューニングにしてみます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 165Hz≒3E

*(① Top: 278Hz / Bottom: 278Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

*(① Top: 197Hz / Bottom: 197Hz)

18” x 14” バスドラム : 55Hz=1A

(② Batter: 111Hz / Front: 92Hz)

ドラムから出てくるピッチは同じなのですがカラッとした音になり、よりパワーコードに合う気がします。

さらにバスドラムの打面とフロントも同じにしてみます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 165Hz≒3E

(① Top: 278Hz / Bottom: 278Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(① Top: Hz / Bottom: Hz)

18” x 14” バスドラム : 55Hz=1A

*(① Batter: 103Hz / Front: 103Hz)

バスドラムはバスドラム感を出すため、フロントが打面より低いチューニングの方が良かったかなと思います。

あくまで僕の好みです。


というわけで、2つ目のチューニング (BD / FT / TT / SD = ② / ① / ① / ③)での実演です。

今後の予定

Jazz Drum Set Tuning #5 -Contemporary Jazz 4-1-

Jazz Drum Set Tuning #6 -Contemporary Jazz 4-2-

Jazz Drum Set Tuning #7 -Contemporary Jazz 4-3, 4-4, & 4-5-

Jazz Drum Set Tuning #8 -Contemporary Jazz 4-6-

Jazz Drum Set Tuning #9 -Vintage Drums & 20” Bass Drum-

Jazz Drum Set Tuning #10 -14” ~ 22” Bass Drums-

Jazz Drum Set Tuning #11 -Additional Toms-

Jazz Drum Set Tuning #3 - Contemporary Jazz 2 ~ Triad -

今回はTriadのチューニングです。

Triadというのは三和音のことで、ファ・ラ・ド(F A C)の3つの音から成るF (Fメジャー)のコードを使ってみます。

ただ、そのままバスドラムから上に向かってファ・ラ・ドとチューニングするのではなく、3つの音を転回します。

Fの構成音のルートのFをタムへ、3rdのAをスネアとフロアタムへ、5thのCをバスドラムと割りあてます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 175Hz≒3F

(③ Top: 272Hz / Bottom: 326Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(③ Top: 181Hz / Bottom: 216Hz)

18” x 14” バスドラム : 65Hz≒2C

(③ Batter: 111Hz / Front: 132Hz)

前回のMajor 7 over 3rdチューニングよりスネアは半音高く、タムは元に戻しつつもスネアとの一体感とフロアタムとの距離感 (-6差)を両立して、バスドラムもさらに半音低くなりフロアタムからも離れました (M6差)。

ジャズ感もまだまだあります。

スネアも扱いやすくて、思いの外ちょうど良いです。

スネアは前回同様、表面 (Top)は触らず、裏面 (Bottom)をさらに張っています (Top < Bottom)。

悪くはないのですが、ここでもっとコンテンポラリー・ジャズ感を出すためにバスドラムのフロントを打面より低くしてみます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 175Hz≒3F

(③ Top: 272Hz / Bottom: 326Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(③ Top: 181Hz / Bottom: 216Hz)

18” x 14” バスドラム : 65Hz≒2C

*(② Batter: 132Hz / Front: 112Hz)


もう1つ比較のため、打面とフロントを同じ音にしてみます。

14” x 6.5” スネア : 220Hz=3A

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 175Hz≒3F

(③ Top: 272Hz / Bottom: 326Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(③ Top: 181Hz / Bottom: 216Hz)

18” x 14” バスドラム : 65Hz≒2C

*(① Batter: 121Hz / Front: 121Hz)

最初の方に一発一発ゆっくり叩いている場面だと違いはわかりにくいかもしれませんが、意外と他のドラムと絡めて叩いている場面の方だと、よく聞けば音の質の違いが分かるかなと思います。

悪くはないですが、1つ目だとバスドラムの音が短く感じます。

2つ目だと楽器の呼吸ができていて、風通しが良いサウンドの気がします。

3つ目は、2つの中間のちょっとだけ長めの音で、無個性な「デン」という音が無神経に鳴っているような気がします。

どれも間違いではないですが、自分の楽器に合った自分の好きなサウンドを色々試しつつ自分で見つけるのが大事だと思います。

2つ目のチューニング (バスドラム Batter: 132Hz / Front: 112Hz)での実演です。

ピアノで4つの音を弾いてみると良いと思います。

ドラムに適用すると不協和音や違和感などはまぎれて認知しづらくなりますが、ピアノで変な音をしているなら意識の外でやっぱり変な音になっているんじゃないだろうかと思います。

他のコードでやってみたり、別の転回形も試してみてください。

Jazz Drum Set Tuning #2 - Contemporary Jazz 1 ~ Major 7 over 3rd -

スイング・ジャズからビバップ、ポスト・バップまでのドラマーは誰と何を演奏しても自分のスタイルを変えませんが、ヴィクター・ルイス、ジェフ・テイン・ワッツ、カール・アレンら以降のドラマーは共演する相手や曲によって演奏スタイルを変えます。

彼らがさらに上の世代と演奏する時は結構保守的に演奏しているように聞こえるかもしれませんが、コンテンポラリーなジャズを演奏する時にはボキャブラリーを使いわけます。

その下の世代のブライアン・ブレイド、グレッグ・ハッチンソン、エリック・ハーランド、ケンドリック・スコット、ジョナサン・ブレイク達はやる曲のスタイルによってドラムのチューニングも大きく変えます。

(ちなみにさらに下の世代はドラムのセットアップも変えます。マーカス・ギルモアなんかはバスドラムのサイズを変えたり、持って行くタムやフロアタムの数やサイズもライブによって違います。)

そういう人達が何を考えた結果でドラムをチューニングするかまではそれぞれだと思いますし、全く同じようなわけにはいきませんが、僕がいろいろ聞いて論理付けて説明できるようにしたチューニング法をこれからいくつか紹介していこうと思います。

バップ用のドラムセットでかなり何でもやれます。

僕の個人的な意見は次の通りです。

- フロアタム、バスドラムが高いとバップ感が上がる

- タムが低いとフュージョン感が上がる

- スネアが低いとロック感が上がる

まず今回はMajor 7 over 3rdのチューニングです。

Major 7っていうのは例えばド・ミ・ソ・シ(C E G B)の4つの音から成る四和音のCmaj7です。

このコードの3rdの音のミ(E)を、ルートであるド(C)よりも下で弾いてベースの音にするとCmaj7/Eになります。

これをAmaj7/C#でドラムに適用すると次のようになります。

14” x 6.5” スネア : 208Hz≒3G#

(③ Top: ?Hz / Bottom: ?Hz)

12” x 8” タム : 165Hz≒3E

(③ Top: 258Hz / Bottom: 305Hz)

14” x 14” フロアタム : 110Hz=2A

(③ Top: 181Hz / Bottom: 216Hz)

18” x 14” バスドラム : 69Hz≒2C#

(③ Batter: 116Hz / Front: 139Hz)

14” x 6.5” スネアを「表の周波数 x 3/4 = 裏の周波数」 の公式でチューニングをするには3Gが上限なので、公式を無視して裏を高くします。

前回のチューニングから表面(Top)は触らず、裏面(Bottom)だけを張っています。

Tune-Botではもう倍音を測定不能になるのですが、裏面の方が表面より高いです。

前回と比べてスネアはパリっとして、タムとフロアタムは半音下がり、バスドラムは全音下がりました。

フロアタムとバスドラムの音程差で言うと、完全5度(P5)から短6度(-6)に広がりました。

Aから上のC#までの距離は長3度(M3)なんですが、反転させてAから下のC#までの距離だと-6になります。

ドラムの演奏から「Major 7 over 3rd」が聞こえてくるかと言うと何とも言えませんが、それぞれの音の響きは新鮮です。

どバップには合わないかもしれません。

他のドラムとバランスを取るため、フロアタムは少しミュートする必要があります。

全体の音を上げ下げしたり、Minor 7, Dominant 7, Minor 7(b5)など他のタイプの7thコードで試してみても良いと思います。

Jazz Drum Set Tuning #1 - Straight Ahead Jazz -

僕が最初にTune-Bot (初代)を買ったのはただの物珍しさからでした。

当時住んでいたアパートのルームメイトのうちの1人が絶対音感を持っていて、たぶん会話の流れか気まぐれで、僕がブライアン・ブレイドの演奏しているYouTubeを見せてドラムの音程を教えてくれと言ったんだと思います(どの動画かは忘れました)。

そうしたら低い方から(バスドラムから)順にD, A, D, Aだと言われました。

そのあとジャック・ディジョネットの教則ビデオも見てもらったりしつつ、僕はなるほどと思ったのでした。

それ以降、練習、セッション、リハーサル、ライブなどでいろいろ試したり、有名なドラマーのチューニングなどを見聞きしたりして、次のチューニングにたどり着きました。

14” x 6.5” スネア : 196Hz=3G

(② Top: 356Hz / Bottom: 285Hz)

12” x 8” タム : 175Hz≒3F

(③ Top: 272Hz / Bottom: 326Hz)

14” x 14” フロアタム : 117Hz≒2Bb

(③ Top: 191Hz / Bottom: 230Hz)

18” x 14” バスドラム : 78Hz≒2Eb

(③ Batter: 129Hz / Front: 155Hz)

ドラムヘッドはスネアの裏面だけがRemo Ambassador Hazy Snare Sideで、他は全てCoated Ambassadorです。

まずバスドラムが2Dでなく2Ebになったのは、2Dだとちょっと低いからです。

実際に叩いてみるとそうは思わないかもしれないですが、ドラムっていうのは自分が叩きながら聞こえる音と客席にいて聞こえる音とでは印象が変わります。

いろいろチューニングを試すときには少し離れた位置から録音/録画しながら行うと良いです。

フロアタムは問題ないと思います。

コードで言うとバスドラムがルートでフロアタムが5度の音という事になります。

タムはしばらくバスドラムのオクターブ上(P8)でチューニングしていたのですが、フロアタムと一緒に叩くと完全4度(P4)の関係になり、その響きは「いつでも使える万能な音」ではないかなと思います。

と、いうのは後づけなのですが、ドラムテックでレジェンドのドラムをセットしている時にそうチューニングしたら(2Eb/2Bb/3Eb/3G)、リハーサルでタムとフロアタムを叩いたのち嫌そうな顔をしてタムのチューニングだけを変えていました。

特定のピッチに合わせていると伝えていたわけではなかったのですが、タムのピッチはフロアタムと完全5度(P5)となる3Fになっていました。

ということで、ドラムセットのそれぞれの音をコードの一部として捉えても良いし、バスドラムのピッチがトニックとなるキーのスケールの一部として捉えても良いのですが、バスドラムから順にP5ずつ高くします。

バスドラムから考えるとタムは長9度(M9)の音程なのですが、タム-フロアタム-バスドラムをII-V-Iと考えると違和感はないです。

裏面(Bottom/Front)の周波数は、打面(Top/Batter)の周波数より1.2倍高くチューニングしました。

スネアドラムですがスナッピーをオフにした時の音が3Gということです。

スネアの音は好みなので、オンにした時に気持ち良い音にすれば良いです。

ちなみに絶対音感を持っている人には、スナッピーをオンにするとホワイトノイズのように音程が聞こえなくなると言われます。

裏面(Bottom)の周波数は、打面(Top)の周波数より3/4倍低くチューニングしました。

196Hzは14” x 6.5”でできる(純正律の)完全4度差チューニングの上限だと思います。

深さが違う14” x 5”とか14” x 5.5”の時には、僕なら208Hz≒3Abにします。

なぜバスドラムが2Ebなのかに戻って、自分がいろいろ試した録音を聴き比べていると、本当の僕の好みの音は実は2Eでした。

しかし5度ずつ上げてチューニングするとフロアタムは2B、タムは3F#になります。

するとスネアとタムが半音差でぶつかります。

すごく変というわけではないですが、いろいろ音楽理論を知っているとこれはちょっと避けたくなります。

2Bのフロアタムは悪くないですが、低い方がフロアタムっぽさが引き立ちます。

あと、決定的なのは、みなさんジャズドラムを始めて最初に演奏した2、3曲のうち1つはFブルースじゃありませんでしたか?

ConfirmationもFです。

あとBbブルースっていうのも良くあります。

Tenor Madnessとかですね。

トランペットはBb、アルトサックスはEb、テナーサックスはBb管です。

だからF, Bb, Ebっていうのはジャズの音、ジャズのキーって言ってしまっても良いと思います。

そうすると2E/2B/3F#/XXではなく、2Eb/2Bb/3F/XXの方を選ぶ理由ができてしまいます。

これはバップの曲とかジャズ・スタンダードを演奏する時には最適だと思います。

もっと高くしたければ2F/3C/3G/XXも良いと思います。

逆にコンテンポラリー・ジャズの曲が多いライブの時、シャープのついたキーの曲が多い時は2E/2B/3F#/XXや2D/2A/2E/XXにするのもありです。

曲調や、表現したいスタイルによってはタムがP8となる2E/2B/2E/XX, 2D/2A/3D/XXでも良いでしょう。

どうでしょうか?

これでドラムセット全体のチューニングを試してみてください。

僕はこのチューニングに捉われて、逃れられなくなりました。

「ただ好きな音」というだけでなく、これ以外にする理由がないからです。

次回以降はそこから抜け出すチューニングを紹介していきます。

[おまけ]

バスドラムを始まりとして考える代わりに、フロアタムを中心にしても良いです。

そうするとフロアタムがルート/キー(またはトニック)として、バスドラムを5度の音にするとしっくりきます。

ということはフロアタムからP4下の音になります。

タム、スネアはそのままで、結果2F/2Bb/3F/XXとチューニングします。

これはバスドラムだけを小さめにした時など(具体的には16”)、特に良いです。

Drum Tuning #7 -まとめ-

これまでドラムのチューニング法を説明してきましたが、鵜呑みにすることなくまずは自分で試してみて欲しいです。

例えば「表裏の音程差を1.2倍(自然律の-3/短三度)にすると良い」と言ってきましたが本当でしょうか?

平均律の-3や、自然律でも平均律でも他の音程差を試してみると良いと思います。

特にスネアドラムに関しては「裏をP4/完全4度下にする」というのは目安というか、スタート地点みたいな感じです。

これも表裏でいろんな音程差を試してみると良いです。

ちなみにピッチが高くなるにつれてボトムヘッドのピッチはTune Botだと測りづらくなっていきます。

また、極端に高く/低くチューニングする時、ボトムヘッドにP4の差をつけてチューニングするのは難しいです。

僕は普段スネアドラムをサッとチューニングする時、あまり音程差自体は重視しません。

ドラム自体の響きの長さとスナッピーの鳴り方をボトム側の張り具合でコントロールしつつ、全体をターゲットのピッチ(又はイメージ)に合わせます。

チューニングの仕上げの時には、反対側のヘッドを手で抑えながらテンションロッド付近を叩いて、ファンダメンタル・ピッチ(一番低く鳴っている音)を聞きます。

手で抑える代わりに地面に置くのもありです。

テンションロッドをちょっと回したら、イライラした時に机を叩くかのごとく、片手の拳でドラムの真ん中を叩くと音が落ち着きます。

ラグ付近の音程を全部同じにするのには神経質にならなくても良いですが、「10個中1つか2つ微かにズレている(1 Hzぐらい)」のと「4つぐらいまあまあズレている」のだと出てくる音のクオリティは結構違いますし、丁寧にチューニングすればするほど良い音になります。

どうしても苦戦する時には躊躇せず使いますが、この作業に通常僕はTune Botを使うことはないです。

音が違うのが分からない、違うのは分かるけど高いか低いかが分からない、という方、気持ちはとても良く分かります。

ピアノやギターや他の楽器が演奏できなくとも、イヤートレーニングを始めてみてはいかがでしょうか?

毎日少しずつ続けてちょっと音感が洗練されると、普段聴く音楽ももっと鮮明に聞こえてきますよ。

反対側のドラムヘッドを-3高く/低くチューニングする、というのもまず耳でやってみて、その後にTune Botで答え合わせする、みたいな使い方もアリです。

ロックだから裏を低くとか、ジャズだから裏を高くなんていうのもただのジェネラル・ルールなので、守るべきものでもなんでもないです。

3通り全部試してみて好きなものを選べば良いと思います。

ドラムが違えば、ドラムヘッドが違えば、ジャンルやスタイルややる曲が違えば、場所が違えば、シチュエーションが違えば、しっくりくるチューニングは変わってくるかもしれません。

Drum Tuning #6 -Bass Drum-

バスドラムのチューニング自体は基本的にタムやフロアタムと同じです。

違う点は、バスドラムはタムやフロアタムとは別の種類のドラムヘッドを張ったり、フロントヘッドに穴を空けたり、ミュートしたり、スティックではなくペダルを介してビーターで打って演奏するということです。

バスドラムは他のドラムと違った、バスドラムとしての役割があるわけで、チューニング自体以外の事も音作りの大きなウェイトを占めます。

個人的にはロックならまず②(裏低め)、ジャズなら③(裏高め)、オールジャンルでクセが欲しくないなら①(表裏同じ)でしょうか。

ドラムセットの一部としてバスドラムを見た場合、タムやフロアタムを①のやり方でチューニングするならバスドラムも基本①にしますし、②なら②だし、③なら③です。

以下は僕の好みが多分に含まれますが、参考にしてみてください。

例として挙げているドラムヘッドの種類は全てRemoです。

ロックならとりあえずClear Powerstroke 3を打面に張れば間違いないです。

最近の新製品だとAmbassador SMT Clearが簡単に良い音が作れるのでおすすめです。

新品でドラムセットを購入したならフロントにはドラムメーカーのロゴが付いたPowerstroke 3が張られていると思うのでそれを使えば良いです。

他のメーカー製でも、ノーブランドでも裏側にリング状のフィルムがついているフロントヘッドが多いんじゃないでしょうか。

無ければEbony, Coated, Smoothwhite, Clear, Fiberskynなど色々なPowerstroke 3があるので好きなものを選べば良いと思います。

僕は絶対フロントには穴を開けるのですが、まずは開けずにいろいろ試してみると良いです。

実際には穴を開ける事自体はそこまで音に影響しないと思いますが、ペダルの踏み心地が変わりますし、バスドラムの中に入れたミュートを穴に手を入れて調整したり、レコーディングではマイクを突っ込んだりするので、穴がある方が都合が良いです。

ピッチはどうするかですが、ひとまず一番低い音にチューニングしてみましょう。

打面のテンションロッドを均等に締めていきます。

最初はペンペン言うだけなのですが、ある程度締めるとヘッド全体が響くようになります。

各テンションロッド付近の音が同じになるようにチューニングします。

フロントヘッドでも同じことをします。

そしてTune Botで音程を測ってみて、フロントヘッドの1.2倍の周波数になるように打面側のテンションロッドを締めて②のチューニングにします。

こうすると一番低くて大きい音が出ると思います。

チューニングした後はミュートですが、僕は大きめのバスタオルを畳んで中に入れ、両面にあたるようにします。

そしてバスドラムペダルのセッティングの話になるのですが、スティックで叩くスネアやタムとは違って、ペダルを踏んで音を出すバスドラムは演奏中にビーターを当てて音を出す位置を変更できないので、ビーターの長さがまず重要です。

ペダルは色々な調整ができて何から始めたら良いのか分からなかったり、すでに自分なりに演奏しやすいセッティングにしていると思うんですが、僕たちは音楽をやっていて音が一番大事なはずなので、まずバスドラムから一番良い音を出せる位置にビーターが当たるようにセットするところから始めましょう。

ジャズですと打面もフロントも両面Coated Ambassadorが王道ですが、フロントヘッドについてはセットを買う時についてきたもので良いと思います。

ジャズ用のセットとして買った場合でも、大体フロントヘッドはPowerstroke 3が張られていると思います。

ジャズ中級者以上で自分で責任が取れる人なら、Powerstroke 3の裏側のリングを剥がすのもありです。

リングに切れ目を入れてヘッドの円の外側に向かって引っ張るように剥がせばうまく行くと思います。

絶対、フロントヘッドには穴を開けません。

ジャズはロックよりヘッドを張って、高めにチューニングします。

フロントヘッドのピッチを打面の1.2倍の周波数に合わせ、③のチューニングにします。

ジャズの場合も僕はバスドラムを少しミュートします。

タオルを丸めてペダルとヘッドの間に入れたり、場合によってはペーパータオルを折って正方形にしてゴリラテープで貼ったりします。

ロック用、ジャズ用と分けて説明しましたが、どちらも打面とフロントヘッドを同じピッチにチューニングすることもできますし(①)、ピッチの高低を逆にすることも(②↔︎③)当然できます。

さて、次回はドラム個々のチューニングのまとめをしたいと思います。

ドラムソロ#7

今回のはFast Tempo (♩=340あたり)です。

ちなみに練習する過程でそれぞれのソロの適正テンポを探しているので、新しいソロを上げる時に前のソロにはテンポ表記をつけて一緒に更新しています。

ドラムソロ#5

何だか週ごとのテーマを決めてやるようになってきたみたいです。(今週はハイハットを絡めたドラムソロ)

自分で思いついたソロを書き出してみると、思いつきはするものの練習しないと実行不可能だったり、カッコいいイメージがあっても実は最初の導入しか頭の中に存在しなかったりするので、長さを整えアイデアを膨らまし、それを形にして練習してみるのはなかなか良いことだなと思います。

初心者でも、僕ぐらいでも、本番の即興でパーフェクトに演奏するには難しい、ちょうど良い練習材料になるんじゃないでしょうか?

自分から出てきたものなので、変だったりややこしいものでも意外ととっつきやすくて頭と体に染み込む気がします。

トランスクライブ(耳コピ)したものだと、他人のものだし手順も想像するしかないですしね。

ただ、ボキャブラリーを増やすにはレジェンドの演奏をトランスクライブするしかないです。

ドラムソロ#2

1週目はスラスラ作れるな、永久にやろうかなと思っていたのに2週目にしてもうなんとか頑張ってやっている状態ですが、何かしら達成とか発見などするまでは続けたいなと思います。

と言うわけで、そろそろドラムチューニングの続きも書こうかなと思っています。

ドラムソロ#1

というわけで自分用の練習素材をPDF化して販売するなどということは一切せず11ヶ月経過したわけですけれども 笑、X (当時のTwitter)に雛形を少し載せたりしていたタム回しのエクササイズはいくつか完成しており、とりあえず自分で練習は続けております。

で、今回は毎日短いドラムソロを作ってみようと思い立ち、それが一週間分溜まったので公開しようかなという次第です。本当は動画を撮ったり、ちゃんと説明をしたり、日記/コラム的なものをつけた方がいいかなとはわかっているんですが、長続きしなくなるので手短かにさせていただきます。

まあ、主にジャズのトレーディングソロを想定したものになるのですが、今回とおそらく今後しばらくは、自分でイメージすることがなんとなくできても実際に演奏できるかというと練習をしていないからできないものだったり、手グセ由来のもので何故か自分の中から出てくるけれど実際に腰を据えて取り組んだことがないものに、さらにアイデアを足したり、起承転結をつけてみました。

ドラムリック的なものだらけになってしまったのですが、僕はそんなにリックを実際のライブで使いまくっている意識はないです。その場で自然に即興で出てきたらやることもあるし、逆に何も思いつかない時にやることもあるし、実はもっとソロ中のリック的な物が占める割合を増やした方が良いなと思っています。

寝ている時に夢を見ても起きたらすぐ忘れてしまいますけど、起きてすぐに夢日記をつけたら割とずっと覚えていませんか?よくやる手グセも何週間か何ヶ月か1年かすると、もう存在すら忘れてしまっているような気がします。

あと、3/29のGroupings of 5と7を取り出したものです。

ご無沙汰しています。

お久しぶりすぎてごめんなさい。

僕は構想を練るのは好きなのですが、完全主義の気が少しあるので(それだと完全主義ではない 笑)、動画とかを撮るにしても、喋りには台本を作りたかったり、少しでも演奏に欠点があると出したくなくなってしまうのでYouTubeでレッスン動画を出して頑張ることは早々に諦めました。

ブログもYouTubeとリンクさせ出したので、話が進まなくなったりしてきたので止まりました 笑。

ライブ配信の時代も終わりましたね。今読み返すと古いなあと思いますが、あれからもう少し知見を得ました。

レコーディングに関しても色々機材を買ったりしました。

となると半完全主義に拍車がかかって、生徒用に撮っていたレッスン用練習曲のデモンストレーションですら撮るのが止まってしまいました。

なので最近はShure MV88を手に入れて、それとiPhoneで撮影した物を限定公開で生徒にリンクを送ったりしています。

ちょっと前にTwitterに自分用の練習プリントを少し載せたりしました。現在進行中で練習しているものだったのでまだ変化しうるんですが、練習し終わって固まったものはここのブログに短い動画付きで載せようかなと思います。

でも、5拍子のやつに関しては、まだ米国の確定申告やらがあったりして全然練習できていないのですが、実はもう全#8、30ページぐらいあります 笑。譜面にするのを待っているメモだけの物もプラス#5、20ページ分以上はあります。

スタンダードな5拍子じゃないので全然需要がないだろうから別に全部晒しても良いかなと最初は思っていたのですが、こうなってくるともう教則本にできるレベルですし、時間も費やし過ぎているので、何も考えずにTwitterに全部載せるわけにはいかないです。

他にも長年蓄積した自分用のマテリアルは、耳コピした曲、ドラムソロなども合わせておそらく数百〜千ページぐらいあると思います。

オーソドックスな5拍子や、7拍子もありますし、普通の基礎練もあります。

例えば今、僕が死ぬと、コンピューターやクラウドにパスワードで保存されたまま、誰も僕のそんな努力は知ることもないだろうなあと思うので、今後は少し発表していこうかなと思っています。

平たく言うとその譜面を売るということなのですが、ただPDFを売ってお終いの先を見据えたいので、譜面を買った方が良いけど買わなくてもインスピレーションを与えることができるようにこのブログでなんとかしようと思います。

でも、結局、何もしないかもしれません!

ライブ配信の方法 その2=少し高音質&高画質=

前回はMevo Plusを使ったライブ配信について説明しました。

Mevoについてはいずれまた続きをやりたいと思っています。


さて、まずライブハウスやスタジオでのライブ配信について、僕だったらどうするか、やり方を説明しようと思います。

ライブハウス側が配信する話ではなくてミュージシャン側が自主的にライブ配信をする場合の話で、要するに自宅以外の場所で機材が制限されている中でどうやるかという事です。

僕みたいな人ばかりじゃないかもしれませんが、僕はiPhone(やその他スマホ)を使ってFacebookでライブ配信するのが一番とっつきやすいかなと思います。

基本的なライブ配信のやり方については他で沢山見つかると思いますので、そちらをご参照ください。

ここではいろんな人の配信を見て思ったことや、僕が発見したことを紹介していきます。

まずiPhoneで配信してる人は大抵の人が画質が360pですね。

WiFiを使える、もしくは通信料を気にしなくて良いのなら、設定でHDを配信できるようにしましょう。

設定の説明は英語版で申し訳ありませんが、日本語版でも似たような感じだと思います。

Menu→Settings & Privacy→Settings→Videos and Photosで、Video Settingsのすぐ下のUpload HDをオンにします。

IMG_7558.PNG
IMG_7557.PNG
IMG_7556.PNG

これで画質が720pになります。(ついでに写真も高画質にできます。)

パケット通信でもWiFiでも、これがオフなら360p、オンなら720p、ここで画質が変わります。

最後に、横向きの動画にしたいのなら、配信を開始する前にiPhoneの画面ロックを解除しましょう。

次は音ですが、僕はZoom Q2n-4Kというビデオレコーダーを持っています。

Q2n-4K_News_0.jpg

この機種に限らず、ZoomのレコーダーはiPhone/iPadに接続してUSBマイクとして使うことができます。

AppleのLightning - USBカメラアダプタか、Lightning - USB 3カメラアダプタで、Q2n-4KをiPhoneを繋げます。

(設定法については説明書をご参照ください。)

IMG_7525.jpeg

僕はiPhone 7 Plusを使っているのですが、Lightning - USB 3カメラアダプタで電源とも繋ぐ方が接続が安定するみたいです。

これで自動的にQ2n-4Kで収録された音声がライブ配信されます。

Zoom製のレコーダーや、iPhoneに接続可能なUSBマイクを持っている方は試してみてください。

これが僕の所有している機材と設定で、ライブ配信の画質と音質を向上させる方法です。

自宅でiPhoneの代わりにコンピューターを使ったやり方についても説明します。

(もちろん出先でもラップトップを使って同じやり方でライブ配信できますけれどね。)

コンピューターにQ2n-4Kを接続する場合、Webカメラとして使用ができて、音声もQ2n-4Kのものを使うことができます。

コンピューターでFacebookを開き、ビデオ入力にQ2n-4K、音声入力にもQ2n-4Kを選択します。

通信速度がある程度あるのなら、画質は720pで配信できると思います。

ただ、フレーム数は20から25fps程度になります。

フレーム数というのは、1秒間に何枚のコマがあるかのことです。

iPhoneでライブ配信する場合には30fpsだと思うので、それと比べると気持ち、動作が荒くなります。

Q2n-4Kは広角レンズですし、カメラの性能的にも、外ならiPhone、家ならQ2n-4KのWebカメラで良いかなと僕は思っています。

ちなみに僕のコンピューターは割りかし古いiMacで、内蔵カメラはあまり画質が良くないですし、この他に高性能なWEBカメラは持っていません。

長めのUSBケーブルを使えば、思ったアングルで撮ることもできます。


次回はライブ配信のクオリティについて、自論を展開しようと思います。

ライブ配信の方法 その1=Mevo Plus & Zoom L-8=

ライブ配信には色々な手段と方法があるのですが、僕が最近携わったものをまず紹介したいと思います。

今回はドラム演奏の配信ですが、他の楽器やバンドにも応用はききます。

隠していたわけでもなく、かと言って公表することもなかったのですが、僕はジャズドラマーのカール・アレンのドラムテックを2015年からやっています。

カールと僕についてはいずれ詳しくブログにしたためても良いかなと思うのですが、とにかく先日、彼のライブ配信のセットアップをしました。

https://www.facebook.com/watch/?v=2705269362913106

https://www.facebook.com/watch/?v=2705269362913106

僕としてはかなり上手くいったと思っています。

反省、改善点なども含めて説明していきます。


まずドラムセットですが、サイズはジャズ用です。

ドラム類はDWのJazz Seriesの14”スネア、10”サイドスネア、10”タム、12”タム、14”タム、18”バスドラム。

シンバルはジルジャンの14”ハイハット、20”ライド、22”ライド、20”フラットライド、18”クラッシュ、8”トラッシュフォーマーです。

マイクはEarthworksのDK25と言うマイクセットだと思うのですが、細かく確認していません。

3本のセットで、そのうち2本をオーバーヘッドに使い、1本をKickPadと言う物を取り付けてバスドラムを録ります。

オーバーヘッドは無指向性なので、バツの字にXYで使わず、ドラムの左右に立てます。

IMG_7426.jpeg

配信には、最近アメリカで流行ってるのかなと思いますが、Mevo Plus (ミーヴォプラス、以下Mevo)を使いました。

https://mevo.com/mevo-plus/

https://mevo.com/mevo-plus/



日本のAmazonでも並行輸入しているようですし、日本語で初代(Mevo)についての記事も見かけるのですが、日本でも出回っているのでしょうか?

最初は「なんでこんなガジェットを使う必要があるんだ。パソコンで使えないし、iOSで無理やり苦労して使わないといけないし。音楽用機材を繋げるには周辺機器も必要になるし」とは思ったのですが、これがかなり優れモノでした。

ともかくコロナの影響でアメリカでは使う人が急増しているようです。

MevoはiPhoneまたはiPadからアプリで操作します。

iOSデバイスをMevoからのWi-Fiで繋いで、各種プラットフォームからライブ配信をすることができます。

Mevo単体では試していないので、説明は省きます。

そして周辺機器のMevo Boostというものがあります。

download-2.jpg

長時間用バッテリー兼、LANケーブルコネクター兼、オーディオインターフェイスコネクターです。

もちろん電源に繋げることができます。

まず、(当たり前のことですが、)LANケーブルに繋げること自体で配信が安定します。

iOSデバイスはMevoを操作するただのコントローラーで、Mevo自体がカメラから直接配信するのです。

今回はFacebookで配信しましたが、YouTube他でも配信できます。

カメラ自体は4Kで撮影でき、配信は最高HD1080pで行うことができます。

mevo-app-1.png

オーディオインターフェイスとして繋ぐことができるものは色々あると思うのですが、カールが所有していたのはZoom H6とL-8でした。

Mevoはパソコンではないので、接続の仕方にクセがあります。

H6と接続、使用している人を2、3件ネットやYouTubeで発見したのですが、L-8を使用している人は見つけることができませんでした。

ただ僕は、ドラムにマイクを立てることが決まっていたのでどうしてもL-8が使いたかったのです。

H6は複数のマイクが取り付けられるのでハンディレコーダーとして素晴らしいのですが、パンやレベルを調整するにはスイッチが2つしかないので、各マイクを設定するミキサーとして使うのにはなかなか手間がかかります。(5つのノブはゲインです。)

https://www.zoom.co.jp/ja/products/field-video-recording/field-recording/zoom-h6-handy-recorder-0

https://www.zoom.co.jp/ja/products/field-video-recording/field-recording/zoom-h6-handy-recorder-0

一応、H6でも繋ぎ方はわかりました。

ネットで見つけた方法には一部不完全があることもわかり、以下の通りです。

1. H6に電池を入れて、マイクを繋げて、電源を入れる。(Mevo Boostからは供給されません)

2. 録音ビットレートを48kHz/16bitにする。

3. Mevo Boostに繋げる。

4. オーディオインターフェイスモードにする。

5. PC/Mac using battery powerを選ぶ。

6. Stereo Mixを選ぶ。(XYマイクだけの時はMulti Truckでも良いです。)

7. MevoアプリでオーディオインプットにUSB Audioを選ぶ、Mevoのマイクをオフにする。

L-8だと、これはミキサーなので各種調整が楽です。

僕はミキサーの使い方についてはまだ勉強中で、ジャズドラムの配信ならいいだろうというのもあり、エフェクトはかけていません。

部屋はリビングルームでまあまあ広めで、天井も高いです。

https://www.zoom.co.jp/ja/products/production-recording/live-sound-recording/zoom-livetrak-l-8

https://www.zoom.co.jp/ja/products/production-recording/live-sound-recording/zoom-livetrak-l-8

自力でMevoへの繋ぎ方を探し出しました。

1. 電池を入れて、マイクを繋げて、電源を入れる。

2. 録音ビットレートを48kHzにする。

3. オーディオインターフェイスモードにする。

4. 接続先にiOSを選ぶ。

5. Mevo Boostに繋げる。

6 MevoアプリでオーディオインプットにUSB Audioを選ぶ、Mevoのマイクをオフにする。

mevo-usb-audio-1000x247.png

繋ぎ終わった後の音の確認ですが、iOSのMevoアプリ上でも確認できますが、なぜかモノラルでしか聞けません。

「どうしてなんだろうか?」と接続と再格闘しないように。

配信を始めると、ちゃんとステレオミックスされて聞こえます。

なので本番の配信をする前に、以下の作業が必要になります。

1. ドラム→マイク→L-8(またはH6他)でまず音の調整をする。

2. L-8でドラム演奏を録音する。(自分はドラムとL-8のすぐ側にいるので)

3. L-8で録音された音の確認をする。

4. Mevo Plus, Mevo Boostと接続する。

5. 自分だけに配信をする。

6. iPhone, iPad, パソコン他で配信を見て、音の確認をする。

機材を繋いだMevoと、iOSのMevoアプリを接続するとボタンを4つ押すだけで配信ができます。

(その前に、Mevoが撮影している画像のどこの範囲を配信するかを選ぶこともできます。要するにクロップして配信することができます。複数の範囲を選択してマルチ画面での配信もできます。ただ、一画面で配信する場合、クロップすると画質は下がります。)

まず赤いボタンを押すと配信先がずらっと表示され、今回はFacebookを選びます。(初回だとログインが必要です。)

そして配信元のアカウントを選びます。(個人のページ以外にグループページがある場合、複数表示されます。)

(誰に向けて配信するかと、画質も選べます。)

そしてGO LIVEを押すと配信が始まります。

グループページだと無理ですが、個人のページの場合、プライバシー設定で配信を見ることのできる対象に自分だけを選ぶことができるので、アプリではそれを選択します。

細かい設定はアプリではできません。

自分で演奏しながら配信の確認をするには、Mevoを繋いでいる物(配信中は常に開いておく必要があります)と別のデバイスでFacebookを確認し、プライバシー設定で特定の友人を選ぶことができます。

設定が終われば、その友達に電話してパソコン等で配信を確認してもらうと良いと思います。

まとめると、今回の配信ではこうなりました。

ドラムセット [カールがiPhoneで配信を確認しながら]

ドラムマイク3本&喋り用マイク(Shure SM58)

L-8 [僕が調整、自分のiPhoneでも配信を確認]

Mevo Boost & Mevo Plus [iPadで操作]

LANケーブル&電源ケーブル

IMG_7424.jpeg

Facebookで配信をした時に表示される説明文ですが、Mevoアプリでは50文字ぐらいしか打てないので、配信を始めた直後に僕がカールのiPhoneでFacebookアプリから編集しました。

その後、カールにiPhoneを手渡ししています。

あと、喋らない時には喋り用マイクをオフにして、喋ろうとしたらオンにしています。

最初は喋る時にドラムマイクをオフにしていましたが、中盤からは喋りと演奏がシームレスになってきたので、それはやめました。

喋り用マイクでもドラムの音を拾っていますが、オフにしない方が良いときはオンのままです。


配信後、動画はFacebookに保存、Mevoでも保存でき、音はL-8で録音することができます。


反省点

1. なぜか0.5秒ぐらい音が飛ぶことが数回発生している。これがどこで発生しているのかはわかりませんが、Facebook上の問題なんじゃないかと思っています。Mevoで保存した動画、L-8で録音した音は確認できていないのでわかりません。[2020/07/22 追記: Mevoに保存されていた動画でも音が飛んでいました。L-8は未確認]

2. 天井扇を止めるのを忘れていたので最初に少しノイズがある。

3. カールのマイクを持つ手の位置がかなり変わったので、音量バランスが変化した。カール側でもマイクのオンオフをしていたので、そのミスが一度起こった。

改善点

1. 喋り用のマイクをピンマイクにする。

2. L-8にはインプットの余裕があるので、その気があればスネア2台にもマイクを立てる。

カールはMevo, Shure以外の会社とはエンドースしているので、機材には恵まれていると言えます。

あと、もちろんMevoを使わず、パソコンとUSBカメラをソフトで繋いで配信することもできます。

MevoだとiOSと上手く接続させるための手段を見つける必要がありますし。

ただ、Mevoの値段と、配信の手軽さ、クオリティ、拡張性を考えると、Mevo PlusとBoostは音楽のライブ配信にはベストの選択肢の一つだと思います。

次回は、僕なら自分の手持ちの機材でどうライブ配信するかについて説明したいと思います。

Drum Tuning #5.1 -Ludwig 70's Vistalite-

最近はYamahaのEAD10というドラムモジュールを使って、レッスンの課題曲を録音、撮影しています。

それにまつわるエピソードは後回しにしてまず本題に入ると、演奏には1979年製のラディック、ビスタライトを使っていて、チューニングは以下の通りです。

14” x 6.5” スネア [175Hz≒3F]

12” x 8” タム [131Hz≒3C]

13” x 9” タム [104Hz≒2Ab]

16” x 16” フロアタム [78Hz≒2Eb]

22” x 14” バスドラム [52Hz≒1Ab]

タムとバスドラムは、裏を表より短3度高くチューニングしています。

スネアとタム類の表はRemo Emperor Colortone Orange、スネアの裏はHazy Ambassador、タム類の裏はClear Ambassador、バスドラム打面はPowerstroke P3 Bass Colortone Orange、フロントはPowerstroke P3 Bass Resonant Colortone Orangeを張っています。

18” x 16” フロアタムも置いてあったり、どうしてこのセッティングに到ったかについてはまた別の機会にブログやYouTubeで説明したいと思います。

それではチェックしてみてください。

EAD10は、実は発売された少し後、2年前ぐらいに購入していたんですが、あまり使わずに眠らせていました。

YouTubeやレッスンにも役立ちますが、一人で何回でも手軽にレコーディングできるので練習にもとても良いです。

なんで今まで眠らせていたんだろう、もっと使っておけば良かったとは思うんですが、まあこういうことがないと使っていなかっただろうなとも思います。

プライベートレッスンで初心者〜中級者の生徒さんとは「Fresh Approach to the Drums」という教本を使ってレッスンしています。

文章は英語ですが、これがなかなかよくできている本で、ドラムを始めるところから中級者卒業までのコンテンツの流れ、多すぎも少なすぎもしないボリューム、40曲以上ある課題曲、わりと新しめの出版、というのがレッスンのお供として非常に使いやすいです。

自分で作ったプリントや説明を足したり、他の本も併用しつつ、6年ぐらい使っています。

今のところ、その教本の課題曲の初めの5曲をYouTubeにあげています。

ポップソング、ドラムカバー、ジャズなどもいずれやりたいなと思っていますが、今は録音、録画、編集など、その課題曲を使いつつ自分でも慣れたり手探りしているところです。

良かったら見てみてください。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLWiaqJXn-aLPHUgj-Ygabbx_zgTIL4z_a

僕のビスタライトはビンテージですが、状態は良く、綺麗です。

アメリカのオークションサイトではよく出品されていて、値段も手頃です。

NYSSMA (Snare Drum)

予告通り、スネアドラムの曲をYouTubeにアップロードしました。

これらの曲はNYSSMAという試験の課題曲です。

Level 1 スネアドラム課題曲 “Off-Beat March“

Level 2 スネアドラム課題曲 “Highlands“

NYSSMA(ニズマ)というのはNew York State School Music Associationの略で、正式には試験の名称ではなく団体の名前なのですが、みんな試験のことをニズマ、ニズマと呼びます。

今年はコロナ危機のためキャンセルが始まっていますが、年に一度、小学校から高校生向けに試験とオーディションがあります。

ドラマーにとってはスネアドラムか、ドラムセット専攻で受験が可能です。(打楽器奏者として、ティンパニとか鍵盤打楽器もありますが。)

試験にはLevel 1から6まであり、試験といっても落ちることはなく、準備して、試験官の前で受験、その試験官に点数とコメントの書かれた評価をもらって終わりです。

僕の認識では試験をLevel 1から受けていって6の後、最終段階にオーディションがあります。

スネアドラムではAll State bandと言うオーケストラ、ドラムセットではAll-State jazz ensembleと言うジャズ・ビッグバンドへのオーディションです。



スネアドラムの試験では3つの課題があって、1つ目は課題曲、2つ目はルーディメンツ、3つ目は初見です。

今回アップロードした2曲はLevel1と2の課題曲ですが、だからと言って簡単かと言うと、しっかり求められている演奏をするのは簡単ではないです。

レベル毎に2, 30曲ほど選択肢があって僕はなるべく難しすぎずにためになる曲を選んでるのですが、それでもLevel5は14 Modern Contest Solos’ for Snare Drum、6はPortraits in Rhythmからの曲と、かなり難しいです。

ルーディメンツは40 P. A. S. International Drum Rudimentsの中からTraditional 26 Rudimentsを順に覚えていきます。

そしてスネアドラムで8〜16小節の短い初見をするのですが、レベルによって、リズム、強弱、拍子などの難易度が上がっていきます。



レッスンでNYSSMA対策をしていると、大部分の子供は1日に何時間も練習をしたりしないので、どうしてもハンドテクニックに集中しがち、腕を総合的にあげるというよりかは試験の課題をうまくこなす準備をすることになりがちになります。

それでもこういう機会がないと真剣にテクニックに向き合うこともないので、生徒や親に挑戦したいと言われたり、僕自身もその時期が来たなと思ったら、生徒には受験をしてもらっています。



追々、Level3〜6、ドラムセットの方の課題曲もYouTubeにあげていきたいと思っています。

動画ではただ演奏しているだけですが、譜面を見てみたいという方がいたらご連絡ください。

YouTube

お久しぶりです。


SNSではちらほら宣伝しているのですが、今回のコロナ危機をきっかけに、わりと本気でYouTubeをやろうと思っています。

3年前に書きかけたエルヴィンのバスドラムからのドラムのチューニング法についての流れのブログを見にくる人がちらほらいらっしゃるようなので、是非ともYouTubeの方もチェックしてみてください。

ムービー」または「Videos / Audio」のページでも見ることができます。


昨日(アメリカでは3月24日)、ジャズのライドシンバル・レガートにバリエーションをつける方法について説明する1本目の動画を上げたところです。

ジャズだけでなく、もちろん他ジャンルもやっていきたいと思ってます。

予定は未定ですが、今後、

-シンバルレガートのバリエーションの付け方をさらにビデオ3つ

-実例でWayne Shorter, Fee-Fi-Fo-FumのElvin Jonesドラム譜

-チェンジアップ(基礎練)について、難易度レベル1〜5まで

-手のダブルストローク

-足のダブルストローク

-2〜4ウェイコーディネーション

-2バス基礎練

-5〜7ウェイコーディネーション

-奇数のグルーピング(3、5、7、9つ取りフレーズ)

を、まず消化したいと思ってます。

なかなかのやる気のある視聴者頼みのYouTubeチャンネルになると思うのですが。

これが全部終わるのが先か、コロナが落ち着くのかどちらが先かと言ったところです。

他にもいろいろ取り扱いたいことはあるので、頑張りたいです。

これらのトピックは普段から練習してる事とかなのですが、普段はちびっ子を教えることが多く、ものによってはあまり説明する機会が無いことなので、いま形にしておきたいという気持ちもあります。


と、言っておいて何ですが、たぶん直近のアップロードするつもりの動画1〜3本は、コロナ危機で会えない、その生徒のちびっ子達にレッスンする予定だったスネアドラムの課題曲を僕が無言で、遅いテンポからインテンポまで、ただひたすら叩き続けるものになるかと思います。

ニューヨークには小学校〜高校の子供達が受けるNYSSMAという、ピアノや、管楽器、弦楽器など各楽器向けの試験が年に一度あります。

ドラマーにはスネアドラム、ドラムセットの2種類の試験があります。

スネアドラムだとマーチングやクラシックに対応する事になります。

今回はドラムセットの試験を受ける生徒はいないのですが、最終目標はジャズ・ビッグ・バンドのオーディションなので、ジャズ、ロック、ラテン、ブラジリアン、ドラムセットソロなんかをやります。

住んでる地域がニューヨークのどこなのかによって受験日は異なるのですが、だいたい4月〜6月上旬ぐらいです。

今年はNYSSMAがどうなるか僕には全くわからないですが、こういうわけです。


エルヴィンのバスドラム〜チューニングの話に戻りますが、当時の予定ではチューニングをある程度説明したところで戻ってエルヴィンに話を繋げるつもりでした。

今後再開するつもりがないわけではないのですが。


実はドラムのサイズとコンビネーション、チューニングも、ヘッドの種類と表裏の組み合わせもかなり試して、研究して、全部動画で撮ってます。‬

だからチューニング法には、自分好みの自分なりの答えは発見しています。

‪いまこそYouTubeで貯めた成果をわかりやすい形で発表する時なのかもしれませんが、撮って、見て、比較対象するため、自分だけのために撮っていたので、世間に公開できる試奏をしていないです。

でもブログで、文字だけで説明するのは難しいですね。

動画かブログか、片方で全部は説明できないかもしれませんが、いずれなんとかしたいなと思います。


近況というか、所感というか、でした。

みなさま、健康にはどうかお気をつけ下さい。

Drum Tuning #5 -Tom & Floor Tom ③-

では、タムとフロアタムのチューニング、
①表裏のヘッドを同じピッチに張る
②表を高め裏を低めのピッチにする
③表を低め裏を高めのピッチ
の、③についてです。

③は、なんというか、ジャズっぽい音になります。
ネットで「裏を表より高くするのは全然ダメ、ありえない。音が詰まる」みたいな意見を目にしたことがありますが、それがまさにジャズっぽい音です。
ジャズを聞きなれた耳で、③を施された良いドラムを叩くと、ギュっと詰まった感の音がします。

前回は音階と周波数の表を見ながらのチューニングだったので、今回は別のやり方を説明します。
表より裏を-3(短3度)高くチューニングするとして、平均律だとある周波数から-3高い周波数は1.1892倍の周波数になります。
なので表のラグ付近を叩いてTuneBotで周波数を測定して、裏はそれに1.1892をかけた周波数にしましょう……。

ただ、僕の意見では「平均律においての-3高い比率」にこだわる必要はないと思います。
そんなに細かく正確にチューニングなんてできません。
それに表の真ん中を叩いた音は平均律の音程に合わせますが(このブログの流れ上)、ラグ付近の音程は特定の音でもなんでもありません。
目的は響きを良くすることなので、ここでは平均律由来の数字にこだわらなくて良いと思います。
純正律だとある周波数から-3高い周波数は1.2倍の周波数になります。
なので表ラグの周波数に1.2をかけます。

平均律、純正律が何なのかはややこしいので詳しい説明は省きます。
簡単に言うと、このブログを読める程度のテクノロジーに囲まれた人たちが今の時代に聞いている音楽はほぼ全てが平均律の音楽です。
純正律は平均律よりも響きが良い調律ですが、使い勝手の面から平均律に取って代わられました。

手持ちの12インチのタムでは表のラグ付近のピッチを257Hz、1.2をかけて裏を308Hzに合わせ、全体を165Hzの3Eにチューニングしました。
まあ、一発で全部チューニングできたわけではないです。
表より裏を高めに張って、まず目標のピッチ付近に合わせてから、表と裏を1.2倍差に近づけつつ全体を目標のピッチに合わせていきましょう。

わかりづらいとか、何かご質問があれば遠慮せずにコメント欄への書き込みや、メールなどを下さい。