Drum Tuning #7 -まとめ-

これまでドラムのチューニング法を説明してきましたが、鵜呑みにすることなくまずは自分で試してみて欲しいです。

例えば「表裏の音程差を1.2倍(自然律の-3/短三度)にすると良い」と言ってきましたが本当でしょうか?

平均律の-3や、自然律でも平均律でも他の音程差を試してみると良いと思います。

特にスネアドラムに関しては「裏をP4/完全4度下にする」というのは目安というか、スタート地点みたいな感じです。

これも表裏でいろんな音程差を試してみると良いです。

ちなみにピッチが高くなるにつれてボトムヘッドのピッチはTune Botだと測りづらくなっていきます。

また、極端に高く/低くチューニングする時、ボトムヘッドにP4の差をつけてチューニングするのは難しいです。

僕は普段スネアドラムをサッとチューニングする時、あまり音程差自体は重視しません。

ドラム自体の響きの長さとスナッピーの鳴り方をボトム側の張り具合でコントロールしつつ、全体をターゲットのピッチ(又はイメージ)に合わせます。

チューニングの仕上げの時には、反対側のヘッドを手で抑えながらテンションロッド付近を叩いて、ファンダメンタル・ピッチ(一番低く鳴っている音)を聞きます。

手で抑える代わりに地面に置くのもありです。

テンションロッドをちょっと回したら、イライラした時に机を叩くかのごとく、片手の拳でドラムの真ん中を叩くと音が落ち着きます。

ラグ付近の音程を全部同じにするのには神経質にならなくても良いですが、「10個中1つか2つ微かにズレている(1 Hzぐらい)」のと「4つぐらいまあまあズレている」のだと出てくる音のクオリティは結構違いますし、丁寧にチューニングすればするほど良い音になります。

どうしても苦戦する時には躊躇せず使いますが、この作業に通常僕はTune Botを使うことはないです。

音が違うのが分からない、違うのは分かるけど高いか低いかが分からない、という方、気持ちはとても良く分かります。

ピアノやギターや他の楽器が演奏できなくとも、イヤートレーニングを始めてみてはいかがでしょうか?

毎日少しずつ続けてちょっと音感が洗練されると、普段聴く音楽ももっと鮮明に聞こえてきますよ。

反対側のドラムヘッドを-3高く/低くチューニングする、というのもまず耳でやってみて、その後にTune Botで答え合わせする、みたいな使い方もアリです。

ロックだから裏を低くとか、ジャズだから裏を高くなんていうのもただのジェネラル・ルールなので、守るべきものでもなんでもないです。

3通り全部試してみて好きなものを選べば良いと思います。

ドラムが違えば、ドラムヘッドが違えば、ジャンルやスタイルややる曲が違えば、場所が違えば、シチュエーションが違えば、しっくりくるチューニングは変わってくるかもしれません。