バスドラムのチューニング自体は基本的にタムやフロアタムと同じです。
違う点は、バスドラムはタムやフロアタムとは別の種類のドラムヘッドを張ったり、フロントヘッドに穴を空けたり、ミュートしたり、スティックではなくペダルを介してビーターで打って演奏するということです。
バスドラムは他のドラムと違った、バスドラムとしての役割があるわけで、チューニング自体以外の事も音作りの大きなウェイトを占めます。
個人的にはロックならまず②(裏低め)、ジャズなら③(裏高め)、オールジャンルでクセが欲しくないなら①(表裏同じ)でしょうか。
ドラムセットの一部としてバスドラムを見た場合、タムやフロアタムを①のやり方でチューニングするならバスドラムも基本①にしますし、②なら②だし、③なら③です。
以下は僕の好みが多分に含まれますが、参考にしてみてください。
例として挙げているドラムヘッドの種類は全てRemoです。
ロックならとりあえずClear Powerstroke 3を打面に張れば間違いないです。
最近の新製品だとAmbassador SMT Clearが簡単に良い音が作れるのでおすすめです。
新品でドラムセットを購入したならフロントにはドラムメーカーのロゴが付いたPowerstroke 3が張られていると思うのでそれを使えば良いです。
他のメーカー製でも、ノーブランドでも裏側にリング状のフィルムがついているフロントヘッドが多いんじゃないでしょうか。
無ければEbony, Coated, Smoothwhite, Clear, Fiberskynなど色々なPowerstroke 3があるので好きなものを選べば良いと思います。
僕は絶対フロントには穴を開けるのですが、まずは開けずにいろいろ試してみると良いです。
実際には穴を開ける事自体はそこまで音に影響しないと思いますが、ペダルの踏み心地が変わりますし、バスドラムの中に入れたミュートを穴に手を入れて調整したり、レコーディングではマイクを突っ込んだりするので、穴がある方が都合が良いです。
ピッチはどうするかですが、ひとまず一番低い音にチューニングしてみましょう。
打面のテンションロッドを均等に締めていきます。
最初はペンペン言うだけなのですが、ある程度締めるとヘッド全体が響くようになります。
各テンションロッド付近の音が同じになるようにチューニングします。
フロントヘッドでも同じことをします。
そしてTune Botで音程を測ってみて、フロントヘッドの1.2倍の周波数になるように打面側のテンションロッドを締めて②のチューニングにします。
こうすると一番低くて大きい音が出ると思います。
チューニングした後はミュートですが、僕は大きめのバスタオルを畳んで中に入れ、両面にあたるようにします。
そしてバスドラムペダルのセッティングの話になるのですが、スティックで叩くスネアやタムとは違って、ペダルを踏んで音を出すバスドラムは演奏中にビーターを当てて音を出す位置を変更できないので、ビーターの長さがまず重要です。
ペダルは色々な調整ができて何から始めたら良いのか分からなかったり、すでに自分なりに演奏しやすいセッティングにしていると思うんですが、僕たちは音楽をやっていて音が一番大事なはずなので、まずバスドラムから一番良い音を出せる位置にビーターが当たるようにセットするところから始めましょう。
ジャズですと打面もフロントも両面Coated Ambassadorが王道ですが、フロントヘッドについてはセットを買う時についてきたもので良いと思います。
ジャズ用のセットとして買った場合でも、大体フロントヘッドはPowerstroke 3が張られていると思います。
ジャズ中級者以上で自分で責任が取れる人なら、Powerstroke 3の裏側のリングを剥がすのもありです。
リングに切れ目を入れてヘッドの円の外側に向かって引っ張るように剥がせばうまく行くと思います。
絶対、フロントヘッドには穴を開けません。
ジャズはロックよりヘッドを張って、高めにチューニングします。
フロントヘッドのピッチを打面の1.2倍の周波数に合わせ、③のチューニングにします。
ジャズの場合も僕はバスドラムを少しミュートします。
タオルを丸めてペダルとヘッドの間に入れたり、場合によってはペーパータオルを折って正方形にしてゴリラテープで貼ったりします。
ロック用、ジャズ用と分けて説明しましたが、どちらも打面とフロントヘッドを同じピッチにチューニングすることもできますし(①)、ピッチの高低を逆にすることも(②↔︎③)当然できます。
さて、次回はドラム個々のチューニングのまとめをしたいと思います。