Drum Tuning #5 -Tom & Floor Tom ③-

では、タムとフロアタムのチューニング、
①表裏のヘッドを同じピッチに張る
②表を高め裏を低めのピッチにする
③表を低め裏を高めのピッチ
の、③についてです。

③は、なんというか、ジャズっぽい音になります。
ネットで「裏を表より高くするのは全然ダメ、ありえない。音が詰まる」みたいな意見を目にしたことがありますが、それがまさにジャズっぽい音です。
ジャズを聞きなれた耳で、③を施された良いドラムを叩くと、ギュっと詰まった感の音がします。

前回は音階と周波数の表を見ながらのチューニングだったので、今回は別のやり方を説明します。
表より裏を-3(短3度)高くチューニングするとして、平均律だとある周波数から-3高い周波数は1.1892倍の周波数になります。
なので表のラグ付近を叩いてTuneBotで周波数を測定して、裏はそれに1.1892をかけた周波数にしましょう……。

ただ、僕の意見では「平均律においての-3高い比率」にこだわる必要はないと思います。
そんなに細かく正確にチューニングなんてできません。
それに表の真ん中を叩いた音は平均律の音程に合わせますが(このブログの流れ上)、ラグ付近の音程は特定の音でもなんでもありません。
目的は響きを良くすることなので、ここでは平均律由来の数字にこだわらなくて良いと思います。
純正律だとある周波数から-3高い周波数は1.2倍の周波数になります。
なので表ラグの周波数に1.2をかけます。

平均律、純正律が何なのかはややこしいので詳しい説明は省きます。
簡単に言うと、このブログを読める程度のテクノロジーに囲まれた人たちが今の時代に聞いている音楽はほぼ全てが平均律の音楽です。
純正律は平均律よりも響きが良い調律ですが、使い勝手の面から平均律に取って代わられました。

手持ちの12インチのタムでは表のラグ付近のピッチを257Hz、1.2をかけて裏を308Hzに合わせ、全体を165Hzの3Eにチューニングしました。
まあ、一発で全部チューニングできたわけではないです。
表より裏を高めに張って、まず目標のピッチ付近に合わせてから、表と裏を1.2倍差に近づけつつ全体を目標のピッチに合わせていきましょう。

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